また立ち入り禁止の秩父鉱山

どーも、東雲鉱物科学研究所です。

2021年5月1日に、秩父鉱山に鉱物採集に行ってきました。

なかなかの収穫がありましたが、当日はハプニングがありました。

当初、石灰沢を目指していたのですが、鉱山内に入ることの出来るトンネルが崩落事故を起こし、全面的にアクセス禁止になっていました。

工事は、5月末まで行われているそうです。

なので、これから、入山する方は気をつけてください。

 

採集は、下流の出合、中流の大黒鉱床で行いました。

では、採集品を見ていきましょう。

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黄鉄鉱と鉛です。

写真撮影だけしました。

(2021年5月1日出合にて採集)

 

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出合に落ちていた岩石です。

長石が大きかったので、写真撮影だけしました。

(2021年5月1日出合にて採集)

 

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赤鉄鉱です。

(2021年5月1日出合にて採集)

 

アップして撮影してみると。。。

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何やら、鉱物が付着していました。

なんだろ?

 

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結晶性石灰岩中のベスブ石です。

淡い茶色が綺麗です。

(2021年5月1日出合にて採集)

 

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2つに割れた鉱石です。

全体は石英ですが、中に黒色のチタン柘榴石が入っています。

(2021年5月1日出合にて採集)

 

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同じ鉱物を割ったものです。

淡い黄色が美しいベスブ石です。

下の標本は、結晶系が上手く出ている為、標本的価値も高く、美しい結晶が観察できます。

(2021年5月1日出合にて採集)

 

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結晶性石灰岩です。

不純物で、色が着いています。

塩酸で、激しく発泡したため、炭酸塩を含むのでしょう。

(2021年5月1日出合にて採集)

 

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水晶・珪灰鉄鉱・黄鉄鉱・珪灰石です。

スカルンは、元素自身に移動出来る距離が決まっており、こうした層状になります。
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水晶の部分をアップで撮影したものです。

きちんと、自形結晶になっており、大きさもそこそこあり、見応えのある標本です。

(2021年5月1日出合にて採集)

 

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淡い黄色味のベスブ石です。

2つに割れたものを撮影だけしてきました。

(2021年5月1日出合にて採集)

 

次は、大黒鉱床です。

大黒鉱床までは、行くことができました。

私の前に大黒鉱床で、採集していた人がいたらしく、割った鉱物が一か所に集められていました。

川の水流は、かなり引いており、河原が大きく露出していました。

私が撤退する直前に、夫婦で採集しにきた方に出会いました。

挨拶だけして、帰りました。

 

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大黒鉱床で一際目を引いたのが、この標本でした。

母岩は結晶性石灰岩で、孔雀石の被膜が全面に覆っていました。

美しい標本だったのですが、持ち上げるのも一苦労でしたし、採集できる大きさでもありませんでした。

なので、観察だけして、撮影してきました。

(2021年5月1日大黒鉱床にて採集)

 

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鉱石中に石英脈が貫入しており、その中に灰鉄柘榴石の結晶が確認できました。

大黒鉱床には、綺麗な灰鉄柘榴石が少なく、採集を熱望していました。

小さいですが、きちんと結晶化しているので、大変嬉しく思いました。

今回の採集で、1番満足のいく標本です。
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上のものをアップで撮影したものです。

ちゃんと飴色をしていて、とても美しい結晶だと思います。

(2021年5月1日大黒鉱床にて採集)

 

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大黒鉱床の下流に向かった方向にあった正長石の塊です。

正直、最初はなんだこれでしたが、晶洞にきちんと自形結晶化した正長石の結晶が観察できた為、採集しました。
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上の標本の晶洞の部分をアップで撮影したものです。

きちんと自形結晶をしているのが分かります。

初めて、大黒鉱床で観察できた為、非常に嬉しい標本の一つです。

 

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珪灰石です。

一度は綺麗な珪灰石が欲しかったのですが、初めて手のひらサイズの標本を採集することができました。

これも初めて観察し、採集したものだったので、嬉しかったです。

 

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石英・黄鉄鉱・珪灰鉄鉱

上の2枚の写真は、同じ鉱物を別の角度から撮影したものです。

3枚目は、上2枚とは、別の標本です。

 

この標本を最初見た時、本当の意味で息を飲みました。

今回の目玉標本と言えます。

非常に美しい標本で、綺麗な結晶を観察することができます。

大事にしていきたい標本です。

 

実は、出合にも、同じ標本があったのですが、あまりの硬さに採集を断念しました。

置いてきたので、欲しい方は、お早目に。

 

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最後に出合に降りて、下流に向かって撮影をしました。

秩父鉱山はいつ行っても、綺麗ですな。

 

今回の採集ですが、大黒鉱床であんなに様々な鉱物を観察・採集できるとは思ってもいませんでした。

途中、にわか雨があり、大黒鉱床に行くか悩みましたが、行って正解だったなと思いました。

 

帰りは、温泉に入ってから帰りましたが、温泉から出ると、雷雨になっていました。

山の天気は変わりやすく、全く読めないです。

 

これから、秩父鉱山に登る方は、天気には気をつけて行ってきて下さいね。

 

秩父鉱山は今現在、トンネル工事の為、鉱山街には入れません。

5月末までの期間が立ち入り禁止です。

なので、これから石灰沢や橋掛沢に行かれる方は、行かれないと言う事を知っておいて下さい。

秩父鉱山は、崖崩れが頻発地帯の為、入山する際も、入念な支度でお願いします。

 

ではまたー。