採集した鉱物を磨くには
どーも、東雲鉱物科学研究所です。
「河原や海岸で拾った水晶を、磨きたいんです」
こう言ったことを、言われたので。
基本、紙やすりで磨くのだが、紙やすりの種類を間違えると、充分には磨くことが出来ない。
ここで、重要な事がある。それはモース硬度である。硬さを表すと思われがちだが、モース硬度は引っ掻き傷ができるかを調べるツールである。
そもそもモース硬度とは、野外の鉱物採集の時に、簡易的に鉱物種を調べるツールとして、発達してきたものである。その為、硬度の分からない鉱物種があるとすると、例えば4の鉱物種では傷が付かず、6の鉱物種で傷が付いた場合に、モース硬度5とするのである。
水晶は鉱物名としては石英であり、硬度は7である。
木材用の紙やすりには、アルマンディン・ガーネットが使用されている。硬度は、7〜7.5であり、石英に傷は付かない。(つまり、磨けない)
耐水ペーパーの場合、使用されている物質は、酸化アルミニウムである。これは、サファイアと同じ化学組成であり、硬度も9ある。
硬度に差があればあるほど磨き易くなるが、石英と酸化アルミニウムの硬度差は2である。
その為、かなりの根気が必要な作業になる。
これが、石英を磨くのに木材用が適さず、耐水ペーパーが適する理由である。
大体、800番辺りから始めて、徐々に上に上げていく。
ただどんな鉱物でも磨くことは、かなりの根気が必要な作業になる事は言うまでもない事です。
ではではー。