秩父鉱山の菱マンガン鉱

どーも、東雲鉱物科学研究所です。


2019年8月10日に、秩父鉱山に採集に行きました。

成果は有りましたが、前日の大雨で鉱物が下流へと流されてしまってました。

なんとか、鉱物に乏しい河原を徘徊して、標本を採集できました。


まずはお決まりの出合で。

河原に降りた瞬間、絶望しました。

何もない。気配を感じない。。。

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こんな感じで、スカスカ。

おまけに地面はドロドロ。

柘榴石、磁鉄鉱、方鉛鉱、黄鉄鉱、緑簾石、これら一切ない。


フラフラ歩きながら、見つけました。

ベスブ石! しかも、高品位の!

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そこから、大黒鉱床へ。

多分、何もないんだろうなと思いながら、登りました。

案の定、何もない。。。こともなかった。


大きな磁鉄鉱の塊が落ちていました。

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本来、磁鉄鉱はスピネル型構造をしていますが、大黒鉱床の磁鉄鉱は、葉っぱのような結晶外形をしています。

これは、秩父鉱山に特有のもので、赤鉄鉱の仮象であると考えられています。

鉄を含むので、かなり重いです。


写真には撮りませんでしたが、小さなビンドハイム石がありました。

緑簾石の塊が1つ、結晶外形が良く分からない柘榴石が何個か。


「やめたい」と本気で思いましたが、ここでやめたら、採集家、ひいては研究家として名が廃ると思い、採集を続行しました。

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↑大黒鉱床はこんな感じ



何もない河原を歩いていると、突然、雷が鳴りだし、ポツポツと雨が降り出しました。

ヤバイと思い、大黒鉱床から、撤退しました。


大黒鉱床に行ったことのある方は、お分かりだと思いますが、広場から、鉱床に降りる道があります。

その場所で、撤退中に、マンガンを含む鉱物を拾いました。

あれと思い、拾いあげ、割ってみると…。



じゃーーーん!!!!

本日最大の大物ーーー!!!!!!

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黒い方解石?と菱マンガン鉱です。


いやー、嬉しかったです。

こういう一品と出会えることが、なにより嬉しいし、採集をやめられなくする原因です。


マンガン鉱の色も申し分ないし、なにより立派な標本です。


では、今回はこれでおしまい。


またねー。